肩が上がるのは“体の土台”が不安定だから
― 肩こりに悩む方、肩が上がっていると注意されるバレエ・新体操選手へ
ピラティスとバレエ・新体操に欠かせないボディコンディショニングの視点から
その「肩のクセ」、実は共通の原因があります
「また肩が上がってるよ」と注意されたことがあるバレエや新体操の選手。
「最近、肩こりが慢性化してきた…」と感じる大人の女性。
一見、まったく違う状況のようでいて、
実はこのふたつ、「肩の土台」に共通の問題を抱えていることが多いんです。
肩に変な力みがあると、動きに制限がかかってしまいます。
バレエや新体操では、演技がかたく見えたり、技が思うように決まらなかったり。
大人の女性なら、肩こりや頭痛の原因になったり、ふと鏡に映った自分が老けて見えたりすることも。
こうした肩の力みの背景には、
体の中心がうまく使えていないという“共通の原因”が隠れていることが多いのです。
この記事では、肩が上がる仕組みを
ピラティスとボディコンディショニングの視点から、わかりやすくお伝えしていきます。
肩が上がると、体はどうなる?
肩が上がるクセがあると、首や背中がガチガチに固まりやすくなります。
本来は体幹で支えるべき動きを、肩まわりの筋肉が代わりにがんばってしまうからです。
その結果、腕や上半身の動きが小さくなったり、動作のつながりが悪くなったりします。
肩が無意識にブレーキをかけてしまい、スムーズな動きが生まれにくくなることもあります。
バレエや新体操なら、ポールドブラが固くなったり、ジャンプやターンの勢いが止まりやすくなることも。
日常でも、肩まわりが動かしにくくなり、呼吸が浅くなって疲れやすさにつながることもあるようです。
なぜ「肩だけ整えてもダメ」なのか
肩が気になると、つい肩そのものをなんとかしようとしてしまいますよね。
ストレッチをしたり、マッサージに通ったり。
もちろん、そうしたケアも一時的には気持ちがよかったり、楽になることもあります。
ただ、何度ほぐしてもすぐ戻ってしまう…ということが続く場合、
それは“肩ががんばらざるを得ない状態”が変わっていないのかもしれません。
肩は、土台となる骨盤や背骨、頭の位置が安定していないと、
そのバランスを取ろうとして自然と力が入りやすくなります。
バレエや新体操でも、体幹がぐらついていると、
肩や首に無意識の緊張が入りやすくなる場面がよく見られます。
日常生活でも同じで、呼吸が浅かったり、姿勢の崩れが続くと、
本来は“骨や内臓に近い深いところにある筋肉(いわゆるインナーマッスル)”で支えるべきところがうまく働かず、
代わりに肩まわりの筋肉ばかりががんばってしまい、肩が上がるクセにつながることがあります。
つまり、肩の不調を根本から見直すには、
“肩を直接なんとかしようとする”のではなく、
「なぜ肩に負担がかかっているのか?」に目を向けてみることが大切です。
「土台から整える」と肩が自然に下がる理由
「肩を下げて」と言われたとき、『肩を下げよう』と意識するあまり、
肩や首にグッと力を入れてしまうこともあるようです。
けれど本当は、無理に下げようとしなくても、肩は“勝手に”ラクな位置におさまっていくものです。
そのカギになるのが、体の土台である骨盤・背骨・肋骨・頭などの位置関係。
ここが安定してくると、全体のバランスが整い、肩は力まなくても自然と下がっていきます。
ピラティスでは、こうした「内側からの安定」をとても大切にしています。
骨や内臓に近いインナーマッスルを使って姿勢を支えることで、
外側の筋肉に余計な力をかけずに、軸の通った体をつくっていくアプローチです。
土台が安定すると、背骨や軸が整い、
胸まわりにも自然な広がりが生まれて呼吸が深まり、頭の位置も落ち着いてきます。
すると肩は「もう頑張らなくていいんだ」と言わんばかりに、ふわっとラクになる感覚に変わっていきます。
こうした変化は、無理にがんばらなくても、
体が整ってくる中で自然と起こってくるものなんです。
肩がラクになった人・パフォーマンスが変わった選手の声
実際に、肩まわりの力みや不調が軽くなったと感じている方は、これまでにも多くいらっしゃいます。
たとえば、肩こりがつらくて頭痛まで起きていた40代の女性。
ピラティスで姿勢や呼吸を見直すようになってから、
「肩に触れていないのに、気づいたら楽になっていた」と驚かれていました。
バレエを習っているある生徒さんは、
「肩を下げようとしても、胸が前に出っ張ってしまい、どこの筋肉を使って良いのかわからず、余計にフラフラする」と悩んでいました。
けれど、お腹や脇といった体幹を支える筋肉を整えていくことで、
肩を“下げようとしなくても”、気づいたら自然に肩が下がっていたそうです。
先生から注意されることも減り、軸が安定したことでピルエットの回転数も増え、
「踊るのが前より楽しい」と話してくれました。
どちらのケースにも共通しているのは、
肩を直接“なんとかしよう”としたのではなく、
体の使い方そのものを見直していったこと。
そうすることで、肩は自然とリラックスできる場所を見つけてくれるようになります。
あなたの肩も、もっとラクになれます
「肩が上がってしまう」
「気をつけているつもりでも、つい力が入ってしまってガチガチに…」
そんなお悩みは、肩だけの問題ではないかもしれません。
体の土台が安定してくると、
肩は“下げようとしなくても”自然と良い位置に収まっていきます。
呼吸も深まり、動きもなめらかになって、疲れにくさや見た目の美しさにつながっていくこともあります。
体が整うことで、負担のない良い肩の位置を継続でき、身につきやすくなります。
土台を整えるための具体的な方法についても、今後の投稿でご紹介していく予定です。
気になった方は、またのぞきに来ていただけたら嬉しいです。^ – ^