冬にギックリ腰が増える理由
〜寒い季節こそ、体の内側から整える〜
冬になると、
「朝、顔を洗おうとした瞬間に…」
「くしゃみをしたときにピキッと…」
そんなお話をよく耳にします。
ギックリ腰(急性腰痛)は、
実際に寒い季節に増える傾向があります。
冷えによって筋肉が緊張しやすくなることも、
その理由のひとつです。
けれど実際は、
冷えだけで起こるわけではありません。
そこには、体の仕組みと脳の防御反応が関係しています。
なぜ冬に起こりやすいのか
寒くなると血流が落ち、
筋肉は無意識に緊張します。
さらに、
・外に出る機会が減る
・体を大きく動かす機会が少なくなる
・呼吸が浅くなりやすい
こうした状態が重なると、
腰まわりの“安定させる力”が弱まりやすくなります。
その状態で急な動きが加わると、
体は一気に反応します。
「ピキッ」は壊れた音ではない
ギックリ腰の瞬間、
体の中で起きているのは
組織の微細な損傷や炎症の場合もありますが
強い防御反応として起こることもあります。
私たちの脳は、
危険を感じると瞬間的に筋肉を強く縮めます。
これは体を守るための反射です。
冷えや緊張が続き、
もともとの安定が弱くなっているところに
急な動きが加わると、
脳は「守らなきゃ」と判断し、
腰まわりを一気に固めます。
それが「ピキッ」という痛みとして現れます。
つまり、
・冷え
・浅い呼吸
・内側の支える筋の低下
・急な負荷
この組み合わせが、
ギックリ腰を引き起こしやすくします。
腰は“力”で守るものではない
ここで大切なのは、
腰の安定は
「強く力を入れること」でつくられているわけではない
ということです。
ぐっとお腹を固めると、
一時的に安心感はあります。
けれど、常に力で支えようとすると
呼吸は浅くなり、
体の動きはぎこちなくなります。
動きがスムーズでない状態は、
小さな負担を腰に集めやすくします。
本当に必要なのは、
無意識のうちに支えられている状態です。
腹横筋と呼吸の役割
お腹のいちばん奥には、
コルセットのように腰を支える筋肉があります。
この筋肉は、
強く縮めることで働くのではなく、
呼吸とともにじわっと働き続けることが役割です。
息を吸ってお腹を広げ、
吐きながら内側をゆるやかに引き締める。
この繰り返しが、
腰の土台を整えます。
内側が自然に働いている状態では、
脳は過剰な防御反応を起こしにくくなります。
つまり、
・強く固める=一時的な固定
・呼吸とともに働く=持続的な安定
という違いがあります。
寒い季節こそ、内側から整える
ギックリ腰は突然の出来事のようで、
実は小さな緊張や負担が積み重なったサインです。
体の外側を力みで守るのではなく、
内側が安定を保てる状態をつくること。
その土台を整えるのが、呼吸です。
息を吸ってお腹を広げ、
吐きながら内側をゆるやかに引き締める。
それだけでも、
腰は「守られている」と感じやすくなります。
寒い季節こそ、
まずは呼吸から。
体の内側が働く感覚を、
少しずつ取り戻していきましょう。